フィリピンに移住しました。

2024年3月に日本の会社を辞めて、フィリピンの会社に現地採用として40代で就職しました。会社で日本人は僕一人。社内ではみんなタガログ語で会話する中、なんとか生きています。ちなみに独身の男なので、期待に応えられるものは何もないかもしれません。

フィリピンに移住して実際のところどんな感じなのか、フィリピンの日常生活とか書いてみたり、あとは僕自身の生存記録も兼ねて、ちょうど2025年でキリがいいということでブログを始めてみました。

現地採用のメリット

現地採用のメリットをまとめると、次の4つくらいにはなるんじゃないかと思います。

  • ビザ費用を節約
  • 保険が使える
  • 移住資金の保全
  • 社会的なつながり

駐在員で働く方が給料もいいのは言うまでもありませんが、僕は現地企業でフィリピン人がどんな感じで働いているのかが知りたかったのと、日系企業で働くよりも外国の会社で働くという経験がしてみたかったのが大きいです。結果的には結構ハッピーに生活してます。

ビザ費用を節約

僕は独身なので、フィリピン人と結婚してビザを取得して滞在するということが(まだ)できません。そもそも彼女も居ないので結婚するのかすら怪しいところです。フィリピンに滞在するなら婚姻ビザが一番楽なのかもしれません。

当然のことですが観光ビザを延長し続けるのも費用がかかります。それなら就労ビザを発行してくれる現地企業に勤めれば色々と解決するのでは?ということで、現地採用を選びました。これでビザの問題はクリアできました。ツーリストビザの延長で現地に滞在し続けることも考えましたが、更新に費用がかかりますし、ツーリストビザでは現地で銀行口座が開設できなかったり、運転免許証を書き換えできなかったりすると、移住という観点からはあまりにも不便なので、結局は現地採用を選択しました。

それにツーリストビザで移住というのは個人的に「いつでも帰国して日本に住む」というバックアッププランに甘えてしまう=それって移住じゃなくない?と思わないこともないので、現地採用を選びました。

もちろん永住ビザという選択も考えました。

まずAPECO特別永住権(ASRV)は費用対効果が悪いので選択肢から一番はじめに外しました。ASRVを止めても支払ったお金が返ってこないというのは、それなりに資本のある人ならば選択肢に入るかもしれませんが、僕のように資本が限られていると、そのお金を株式などの投資に回して配当金などで生活を楽にした方が賢い選択に思えました。もう少し頑張ればSIRVを取得できる金額ですし、それが返還されないとなれば、単純にSIRVの方がメリットが大きいと思います。

特別居住退職者ビザ(SRRV)は単純に僕が取得できる年齢に達していないので、これは考慮に入れませんでしたが、会社を辞めたらSRRVかSIRVに切り替える予定です。

特別割当移住査証(Quota Immigrant Visa)は不透明すぎるので、そこまでリスクを取ってまでフィリピンに住む必要はないと思いますし、これを取得する労力と費用を考えたらツーリストビザに甘んずるので十分だと思います。

特別投資家居住ビザ(SIRV)は100,000ドルを上場企業などに投資すれば得られるもので、就職活動と並行して申請をしていましたが、就職できたので結局は申し込みしませんでした。これは投資を続けている限りフィリピンに住み続けることができる、つまり資金の回収が可能という一点だけでもASRVよりもメリットがあるように僕には思えます。

保険が使える

僕は日本の住民票も抜いて、国保にも加入していません。そこまでリスクを取る必要があるのかって自分でも思うときはありますが、日本の公的サービスを利用して移住するのはフィリピン人と同じ目線に立てない気がしたので、非居住者となることを選びました。

現地企業に就職すればHMO、いわゆる民間の保険に入ることができます。会社が保険料を払ってくれるので、実質的に負担はゼロです。今の会社は歯科診療までカバーしているので、歯医者に困ることもなく、またキャッシュレスなので具合が悪くてATMに行く時間がない時なんかも重宝します。

移住資金の保全

語るまでもなく移住にはお金がかかります。当然ですが毎月の生活費が必要です。僕にとって移住資金は「移住基金」に位置付けています。基金なので虎の子の元本には絶対に手をつけない。そこから生じる利益を啜って生きるタイプですね(笑)その利益を啜らずに基金を増やせば、将来的に啜れる利益は大きくなるのは言わずもがな。ということで移住資金を保全できるという意味で働く選択はありありのありかと思っています。

社会的なつながり

これが地味に大きいかもしれません。現地人と一緒に働いて、一緒にパーティーをして、一緒にでかけたり、一緒にごはんを食べたり、一緒に旅行に行ったりできるというのは、現地採用など働かない限り得難い経験だと思います。たぶんSIRVやツーリストビザで悠々自適の移住生活をしてたら、今ごろ健忘症になってたかもしれません。社会的なつながりに関連する話題ですが、「フィリピン人はお金にルーズ」という言説は、僕の今までの経験では全く当てはまりません。お金を借りることは恥だと思っていますし、フィリピン人ですらレッドフラグだという認識をきちんと持っています。もちろんカレンダリアで食事をした時に、同僚が500ペソ札しか持っていない。お店の人も細かいお釣りを持っていない。僕は100ペソ札を持っているというような状況であれば「ちょっと払っておいて」ということはあります。でも会社に着いたら、他の同僚に500ペソを細かくできるか聞いて、きちんと「さっきの20ペソね」って返してくれます。

もちろん日本にも上級国民と言うようなソーシャル・ランキングがあるように、フィリピンにだってあります。どのような人たちと触れ合うかで、フィリピンの印象は大きく変わるんじゃないかなと思います。

ということで

まだまだ一年未満の移住者ですが、今までのところは移住して幸せに生きています。仕事もそんなに難しいわけでもありませんし、暇なときはとことん暇なので同僚とお菓子を食べならば噂話に花を咲かせたりしてます。もちろんストレスが溜まることはありますし、思い通りにいかないことに苛立つことだってありますが、まだまだ僕は幸せにやってます。一年後、五年後、十年後も同じことが言えるような生活をしていきたいと思ってはいます。

この記事を書いた人
2024年3月にフィリピンに移住しました。毎日がチャレンジですが、そこそこ幸せに生きてます。メガネ属性に弱い。