フィリピンの甘いソーセージと日本人の口に合うソーセージ

フィリピン料理の基本は、甘い、酸っぱい、辛いという感じで、何にでも酢を使うのが基本な感じで、酢を避けると今度は甘いか辛いと言った感じで、なんとも味覚が複雑というより、本当に味覚にダイレクトに届くストレートな感じです。そういうフィリピン料理を避けようとすると、やっぱり日本食とか洋食とかになってしまうわけですが、毎日日本食や洋食を食べても飽きてしまうか、あるいは資金的に苦しいという人もいるかもしれません。

かく言う僕もフィリピン料理は嫌いではないけど、ちょっと味がストレートで複雑な味のハーモニーを楽しみたいと思って食材難民をしています。その中でも僕の救いはハンガリアン・ソーセージでした。

ロンガニサは基本的に甘いソーセージ

スーパーマーケットの冷凍コーナーに行くと、結構いろいろな種類のソーセージが豊富に揃っているのが目につきます。僕はSM Hypermarketかthe Marketplaceに良く行くのですが、SMが庶民派でMarketplaceが少しハイソなスーパーマーケットと考えてもらったらいいと思います。残念ながらSMには甘いソーセージばかりで、日本人の口にも合う美味しいソーセージならMarketplace一択です（あるいはSantisなら間違いはないのですが、スーパーマーケットというよりデリカッセンなので選択から省きました）。

スーパーマーケットで気を付けたいのが下の写真にあるようなLingganisaと書かれたソーセージです。これはフィリピン流のソーセージで、何の捻りもなくストレートに甘いです。もともとスペイン語のlonganizaがフィリピン語に転化したものだけならいいのですが、スペインのロンガニサと違って、スパイスもほどほど、なんか豚肉以外に牛肉や鶏肉もある、けど全部甘いといった感じで転化してしまっています。

ハンガリアン・ソーセージ？

ヨーロッパには長く居た経験があって、ソーセージと言えばドイツというイメージがあるのですが、フィリピンにはハンガリアン・ソーセージがあります。ハンガリーに居た時はソーセージというイメージがなくて、どちらかと言えばフォアグラ（産地だから市場で安く買える）、キャビア（なんか安い）、トカイワイン（さすがワインの中の王様で日本で買うと高いのにハンガリーだとめちゃくちゃ安い）、という感じの貴族もびっくりな生活をしていたので、ソーセージという感覚がありません。もちろんマンガリッツァという有名な豚がいるのでそれなりにソーセージも有名なのですが、やっぱり近くのドイツの方が圧倒的に知名度が高いです。ミュンヘンでヴァイスブルスト（白ソーセージ）を食べた時、皮は食べないのを初めて知ったとか、フィリピンで言うバランガイ・レベルでビールやソーセージが違って、どこの人も「俺のところのビールやソーセージ一番」というくらい盛んでした。パンに塗るようのソーセージとか、朝しか食べられない豚の生肉のペーストとか、とにかくドイツという国はソーセージ！豚肉！という印象が強いので、それと比べればハンガリーね～、となってしまうわけです。

しかしなぜフィリピンでハンガリアン・ソーセージなのか、これが全く分かりません。そしてフィリピンでドイツというとフランクフルトになる・・・。よく分かりません。余談ですがカナディアン・ハムがあったり、なんかいろいろな国の名前を冠した精肉加工品が多くあります。

ちょっと見ずらいですが、この172ペソのハンガリアン・ソーセージは、値段の割にまあまあ美味しいかな？というレベルで財布に優しい甘くないソーセージです。

ちょっと贅沢する？

ちょっと贅沢すれば、それなりに美味しいソーセージが食べられます。写真の一番下のDelicatoシリーズなんかは結構普通においしかったりします。どうでもいいですけどトルティージャ（トルティーヤ）がフィリピンでは簡単に手に入るのは嬉しいです。タガログ語の動詞puwedeやayとか、基本名詞とか結構スペイン語が残ってますし、CholoやCholaなどの文化や北部のエンパナーダとかスペイン文化の端々を見るのは地味に好きだったりします。

個人的に一番おススメなのは一番下のソーセージ類で、基本的にどれを買っても失敗はありません。中段の香腸は台湾の屋台でホットドッグみたいにして食べた時には感動した美味しさなんですけど、自分でやってみるとフィリピンのロンガニサと同じ甘いソーセージじゃん・・・となります。やっぱり名物は現地で食べるのが一番おいしいわけです。

というわけで

美味しいソーセージを探し求めた難民として、少しでもお役に立てればと思います。ただ絶対に失敗したくないのであれば、Santis一択です。セブやミンダナオには支店がないので、ルソンに来た際には試してみてはどうでしょうか。