マカティの治安って実際にどうなの?

2024年末にマカティで強盗が多発し、マニラのマラテでは日本人が強盗に襲われて撃たれる事件が発生しました。その時にはマカティの安全神話が崩れた的な話を耳にしましたが、そもそも「マカティって安全なの?」ということを考えないといけないと思います。これからマカティに移住する人たちのために、実際にどこに移住したらいいのか、そんな参考になればと幸いです。

マカティは「市」であり市全体が安全なわけではない

フィリピンの安全な町としてマカティと対にされるBGCですが、BGCはタギグ市の一部分であってボニファチオ・グローバル・シティーという市があるわけではありません。BGCのあるタギグも悪名高い地域があって、特にBGCの近隣はフィリピン人でも近づきたくない場所があります。それでもってBGCはマカティに勝るというのは、一部地域と市全体を語るという、あまり意味のない言説となってしまうわけです。

マカティの安全とされる地域はCBD、いわるゆセントラル・ビジネス・ディストリクトと言われる場所で、これはバランガイ単位で考えるか、あるいはPEZA経済特区単位で考えるか、あまり定義がはっきりしていません。バランガイ単位で考えるとやはり問題があるのも事実で、Bel-AirもOlympiaに近い地域とAyala本社のBel-Airとは全く意味が異なります。そのためAyala Triangle Gardensの前の東西のAyala Avenue沿いで、東はOne Ayala、西はNorth Ayala ExchangeまでをCBDと考えた方が良いと思います。もし可能であれば、このあたりに住むのがベストと言えます。

マカティの治安の悪い場所

通称ビレッジと呼ばれる超富裕層が住む場所はUrdaneta Village, San Lorenzo Village, Bel-Air Villageなどの塀で囲われたセキュリティがガチガチで、歩いて入ることすらできない場所です。この周辺であれば、それなりの安全は担保されますがSan Lorenzo VillageでもPio del pilarに近くなるとおススメできません。特に旧称パソンタモ (Pasong tamo)周辺は日本人以外も被害に遭っている強盗も起きています。この辺りにリトル東京がありますが、コンドミニアムの家賃や販売価格を考えれば治安はそれなりに良くないことが理解できます。例えばBGCのフォーブスタウンやハイストリート沿いのコンドミニアムの価格や家賃と比較すると雲泥の差があります。フォーブスタウンやハイストリートで強盗が起きれば、それこそ大事件の扱いになるほどの治安の良さがあるので、そういう場所に人は住みたがるので家賃は高騰する傾向にあります。

Bel-Airの特にJazz Mallの近く、Circuit Makatiの近くのOlympiaはマカティのギャングが多く住んでいる地域で有名で、バランガイに馴染んで仲良くできれば心強いのですが、敵になればマニラ湾に沈むかもしれないので考えて住むようにしましょう。

マカティの地下鉄が白紙になった原因のPemboは恐らく日本人が住むには相当ハードルが高いと思います。もちろんバランガイに馴染めばフィリピンは楽しく暮らせること間違いないのですが、治安はお世辞にもいいとは言えません。ここはちょっと前までマカティだったのですが、今は最高裁でタギグに所属することになった地域です。ここはキラキラしたマカティやBGCの間にあって、フィリピンを強く感じる場所かもしれません。

拳銃強盗の標的って外国人だけなの?

拳銃強盗と言えば日本人のような外国人が標的になると考えられがちですが、一番被害に遭っているのはフィリピン人です。そもそも日本人と中国人と韓国人は見た目で違いなんて分かりませんし、ましてやGen Zになると背が高くて身なりのいいフィリピン人は外国人と間違われるレベルで、また混血になれば外見から外国人か違いが分からない場合も少なくありません。日本人が拳銃強盗に巻き込まれて日本語のニュースに取り上げられたから日本人が標的にされていると考えるのは早計です。例えば2025/02/05にCCTVにPemboで起きた拳銃強盗が撮影されていますが、こんな感じでフィリピン人も拳銃強盗に遭っているわけで、日本人だけが、外国人だけが特別なわけではありません。

それなりにショッキングかもしれないので視聴には注意してください。

フィリピンの警察って動いてくれないの?

これは本当に声を大にして言いたいのですが、フィリピンの警察だって頑張ってくれます。そもそも日本のニュースはその後のことを報道しない、全然名誉回復に努めません。例えばマラテで起きた日本人の拳銃強盗の犯人は捕まっていますが、そこまで調べずに、ただ注目を集めるためにセンセーショナルに報道すれば「フィリピンの警察は何をしているんだ」「フィリピンは信用できない」という風潮を生むわけです。しかも被害に遭った日本人から被害届が出ていないので、この件で警察の対応に何ら不備はないわけです。被害届を出さないと警察は動いてくれないのは日本も同じじゃないですかね。この事件は別にフィリピン人の女性が被害に遭っていて被害届が出ていたので犯人は捕まっています。

もっと言えば、証拠品は薬莢とCCTVの映像くらいしかないのに、よく捕まえられたなと感心するレベルです。

Ayon sa ulat ng MPD, Nakilala ang mga suspek na sina alyas James, 23 anyos, miyembro ng kilabot na Sputnik Gang, residente sa Batangas St., Brgy. 221, Tondo; at si alyas “John” 24 anyos, miyembro ng Commando Gang at residente sa Milagros St., Brgy. 340 Zone 34, Sta. Cruz.

マカティの強盗の犯人も捕まっていますが、これに関して日本で報道された事実を確認できていません。マカティの警察も頑張って動いてくれているわけです。

The Makati City police arrested two men for allegedly robbing two Japanese nationals on Thursday, Nov. 7.

安全に生活する心得

どこに住んだって意図せずに事件に巻き込まれることだってあります。安全と言われる場所でも犯罪が起きないわけではありません。まずは強盗に遭ったら抵抗せずに要求に従うようにしましょう。事実として日本には兵役がありませんから、兵役のある外国人よりも遥かに弱いです。それにフィリピン人はストリート・スマートに生きていますから、日本人よりも生きる力は遥かに高いです。節約して生活したり旅行することよりも優先すべきは安全ですから、「外国にいる」ことを忘れずに生活しましょう。そしてどこが危ないのかを知っておき、きちんと警察など現地の行政を信用することは移住する上で極めて重要ではないでしょうか。

この記事を書いた人
2024年3月にフィリピンに移住しました。毎日がチャレンジですが、そこそこ幸せに生きてます。メガネ属性に弱い。

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