Mt. Ulapへトレッキングへ行ってきた

マカティから気分転換にフィリピン人の友人たちとウラップ山、Mt. Upal(1846m)へ行ってきました。今回は僕を含めて10人(僕以外は全員フィリピン人)で、友人の車で夜11時にパシグの友人宅を出発して、朝5時に登山口に到着しました。

Mt. Ulapは環境整備のために入山料と登録が必要で、Ampucaoのバランガイ・ホールで行います。朝5時にも関わらず、結構な人がいました。ここでガイドを雇いますが、特に事前の予約など必要なく、7人/1ガイドなので僕たちはガイドを2人雇いました。

ここで水や防寒具など必要なものは購入できますが、やっぱり観光地価格になっているので事前に水などは用意しておいた方がいいでしょう。2025/01時点で、セカンド・ピークにきれいなトイレ(10ペソ)、アイスキャンディー売り(1本20ペソでバナナ味でした。なおマニラの4倍価格ですが苦労を考えれば安いです)、売店はMt. Ulapの山頂を少し降りたところにカレンダリヤが2店ほどあるだけでした。なおカレンダリヤで豚のシニガンとライスで180ペソとマニラの2倍以上します。ちなみにクレジットカードはもちろん、Gcashなどの電子決済も使えない、完全にキャッシュ・オンリーなので気を付けましょう(クレジットカード生活の僕は友人に借りてしまいました)。

ガイドから注意事項などの説明を受けたら、早速トレッキングの開始です。

写真を撮るのを忘れてしまいましたが、途中にガイドが居るか等のチェックポイントがあり、手にスタンプを押してもらわなければなりません。

写真だと明るく見えますが、ほぼ真っ暗の中の山道をズンズンと歩いていきます。

ガイドはヘッドライトなどで足元を照らしてくれるので、自分で敢えてライトを持っていく必要はないかもしれませんが、あった方が何かと捗るかとは思います。

こんな感じで開けた場所で朝日を拝むことができました。

これだけで来て良かったなと思える瞬間でした。

本格的なトレッキングではないので普通の靴で十分とは言え、道中は牛のう〇こが沢山落ちているので、お気に入りの靴などは履いていくのは止めた方が無難だと思います。この牛は一応は飼い牛だそうです。

フィリピン人が大好きなSNS写真スポット

セカンド・ピークでガイドからGungal Rock(ガンガル・ロック)で写真を撮るかどうか聞かれます。もちろんフィリピン人の友人たちは即答で「Opo!」と答えましたが、このために30分ぐらいの待機時間がありました。気持ちばかりの日陰スポットが作ってあるのですが、多くの人が待っているので太陽の下に晒されて、しかも温まった体が冷えていき筋肉が固くなり、疲労が溜まるという悪循環なので、正直トレッキングを純粋に楽しみたい人以外は別に写真を撮らなくていいんじゃないかなとは思います。しかも順番待ちが酷いので、写真を撮る時間も10秒以内と急かされる始末です。と言っても、友人たちが即答したので僕も撮ったんですけどね。

ちなみに写真は誰とも知らない人ですが、こんな感じの写真をガイドが撮ってくれます。

Mt. Ulapの植生

ちょっと残念なポイントは、結構トレイルが整備されているので自然に触れ合う、どちらかと言えばバックカントリー的なトレッキングが好みだったり、あるいは僕みたいに植生や動物に興味があると、少し不満があるかもしれません。

フィリピンにも「ぜんまい」や「蕨(わらび)」を食べる習慣があるのか聞いたのですが、そもそも野菜嫌いが多いので、明確な答えはもらえませんでした。写真のような蕨が結構生えているので、取って帰って食べたいところですが、やっぱりトレッキングは自然を大切にしないといけないので我慢しました。たぶん現地に住む人たちは蕨を食べる習慣があるんじゃないかなと思います。ところどころ採取された形跡があったので、恐らく現地に住む人たちは食べる習慣があるんじゃないかなと思います。

幸せを呼ぶ葉っぱがたくさん

松の類はあまり詳しくないのですが、弘法大師が日本に帰る前に唐より投げた三鈷杵が掛かっていたという松が高野山にあります。通称・三鈷の松は日本には自生しない三針葉の松で、縁起がいいということで参拝者が拾ってお守りにしています。三葉松と言えば大王松やテーダマツ、リギダマツが知られていますが、どちらも日本に自生するものではありません。

トレイル沿いの松を観察したところ三針葉になっていました。大きさ的に大王松ではないですし、リギダマツやテーダ松はアメリカにしかありません。松ぼっくりを見ても、どちらとも違う印象がありました。詳しい人が居たら教えてください。ガイドに聞いたら「松の葉って三枚じゃないの?」という返事だったので、もしかしたらベンゲットでは当たり前の松なのかもしれません。

ということで登頂

トレッキングが初めての友人もいたので、結局5時間ほどかけて山頂に到着しました。と言っても山頂にはこの看板があるだけで、あとはきれいな景色がある・・・それだけです。ガイドが「この先にティンダハンがあるよ」と言ったら、写真を取ったら颯爽と下山を始めました(笑)

フィリピンの知る人ぞ知る名産品

フィリピンのお土産というと、ドライマンゴーとか、ちょっと通ならオタップとかがありますが、セブの名産品です。「せっかくルソン島に来たんだからルソン島のもの」と聞かれれば、僕は間違いなくコーヒーを勧めます。フィリピンでコーヒーというとパッとしない人も多いかと思いますが、バタンガスのバラコ・コーヒーは通の間(?)では知られていて、リベリカ種に属するコーヒーで、強い苦みが特徴的です。だからこそ、バラコ・コーヒーってカフェ・ラテに最適だったりします。強い苦みが牛乳で中和され、その奥に隠れた芳醇な香りが鼻孔を蕩かす最上のカフェ・ラテになります。日本だと流通量は少ないのですが、フィリピンだと比較的廉価かつ大量に手に入るのでお土産におススメの一品です。

・・・ベンゲットなのに何でバタンガスの話なんや!!ってところなんですが、別にバタンガスだけがリベリカ種のコーヒー栽培をしているわけじゃなくて、そもそもコーヒーの木だったらマニラでも目にすることができます。バタンガスと似た環境で作っていて、同じ品種ですが知名度からバタンガスに地位を奪われているだけで、この辺りのコーヒーも非常に美味しいです。山頂から降りていく途中で民家を何件か通りますが、こんな感じでコーヒーを干していたりします。ガイドさんの家族の家だったので、干しているコーヒーを食べさせてもらいましたが、煎ってないコーヒー豆はただの青臭い豆ですよ(笑)イエメンでも同じ経験をしましたが、全く経験が活きてませんね。とは言え、どこかにコーヒーの香りがして、これは絶対においしい奴や!って言うのが分かります。

イエメンだとコーヒー豆の殻(乾燥した実)だけの飲み物(カスカラ・ティーと同じか分かりませんが)が露店にあったんですけど、フィリピンでも同じことをするのかなって聞いたら、普通に知らんって言われました。日本だとチャフ(ただのカスの英語やんけと思いますが、こういうの好きですよね、日本人)は雑味の原因とかなんとか言ってますけど、イエメンで飲んだのはコーヒーのいいとこどりな感じの味だったんですけど、もし本当にそれが原因の雑味だと断定できる舌を持ってたら「スゲー」とは思います。それくらいストレートなコーヒーの香りをしっかりと持つ飲み物だったんですけど、僕の飲んだのは雑味だらけの何かだったのかと未だに思い続けています。

こんな感じで普通にコーヒーの木が生えていて、普通に実ってます。収穫後だったので青い実しか残っていませんでした。

トレッキング後には臭い体のまま帰ること勿れ

たまにトレッキングが終わったあと、開き直って「トレッキングから帰ってきたばっかりだから汗臭くてごめんね」とバスやジープニーに乗る人がいますが、止めましょう。フィリピン人は匂いに敏感です。外国人だから許してね、じゃなくて、外国人だからこそ、ちょっとは気にしましょう。

ということで、僕のおススメはLigoです。タガログ語だとシャワー的な感じで訳されますが、もちろんタガログ語の中にシャワーという文化は繁栄されていないので、沐浴的な意味で取った方がいいと思います。言語はone to one correspondenceじゃないので、こういうところも柔軟に生きていけたら人生楽しいと思います。

出口側に売店が数店ありますが、ほぼ全ての売店でトイレ以外にLigoが借りられます。一回50ペソで、ベンゲットの冷たい山水で体を洗うことができます。もちろんタオルや石鹸、着替えなどは持参しないといけません。

ストレートにシンプルな、これぞフィリピンのシャワー室という感じの、最低限のものしかありません。たらい、おけ、蛇口です。この水がめちゃくちゃ冷たいので、相当なリフレッシュになります。写真の見た目的に抵抗がある人も多いかもしれませんが、たぶんフィリピンの大多数の家のシャワーはこんな感じです。これで汚いというなら、ブルジョワ移住以外の人は諦めた方がいいと思いますし、多様性を受け入れる準備ができていないとも思います。

何れにしても、臭い体のままバスやジープニー、友人の車に乗るのは止めましょう。その後にレストランとかに行くと、やっぱり嫌がられますしね。そういうマナーはきちんと守りましょう。

ということで

マニラからも日帰りで行けるトレッキングとしてはおススメです。下山道には素朴なフィリピンの人たちの暮らしも垣間見ることができますし、その暮らしを見たら「こういう田舎暮らしがしたい」と思う人も多いと思います。かく言う僕もその一人です。やっぱりフィリピンはマニラやセブの話ばかりで、どこか大気汚染された、汚い印象を持たれがちですが、こういうスポットもあるということを知ってもらえればなとは思います。

この記事を書いた人
2024年3月にフィリピンに移住しました。毎日がチャレンジですが、そこそこ幸せに生きてます。メガネ属性に弱い。